第17期 成年後見 効果測定対策(障害について)

行政書士の研修
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障害の医学モデルと社会モデルについて

障害の「医学モデル」というのは、障害のある人が日常・社会生活で制限を受ける原因を個人の心身の機能の障害に求める考え方。  
障害の「社会モデル」というのは、障害のある人が日常・社会生活で制限を受ける原因は、「心身の機能の障害」のみならず、「社会の様々な障壁」であるという考え方。例えば、足に障害を持つ人が入口に段差がある建物に入れない事態が起きている原因は、建物に段差があること(社会的障壁)であると説明する概念である。

国連から特別支援教育はダメだと言われた理由について

日本が2014年に締結した障害者権利条約は、障害のある人が一般的な教育制度から排除されないインクルーシブ教育システムを確立するよう締約国に求めている。しかし、日本で行われている特別支援教育では、障害児が特別支援学校や特別支援学級に分離されることで通常の教育を受けにくくなっており、一般的な教育制度から排除され、インクルーシブ教育システムに反するから。

日本では、2014年の障害者権利条約の締結前から学校教育法に基づき、障害児が学ぶための場として特別支援学校や、小中学校内に通常の学級とは別で特別支援学級が設けられている。特別支援教育とは、障害のある子どもの自立と社会参加をするための主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、対象となる子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を確認して伸ばし、学習や生活で抱える困難さを軽減し改善するための適切な指導や支援を行う教育である。
そして、日本政府は、特別支援学校や特別支援学級も障害者権利条約が定める「一般的な教育制度」に含まれると解釈しており、国連へは「障害児は通常の学校(小中高校)に行くか、特別支援学校に行くか選ぶことができる」と説明している。

しかし、国連は「障害児に対する事実上の小中高校や通常の学級への入学拒否が起きている」「長く続く特別支援教育により障害児は分離され通常の教育を受けにくくなっている」と指摘。その上で、障害児を「分離」している現状の特別支援教育をやめるよう日本政府に強く要請。

健常児と一緒に学ばないと、障害児は自分たちとは違う人とみなされ、差別の温床になるという意見もある。

障害は三種類ではないことについて

知的、精神、発達障害に加えて、高次脳機能障害、視覚、聴覚、内部障害、肢体不自由がある。
障害の8種類(東京都)

知的障害とは
知的機能の障害が発達期(おおむね18歳未満)にあらわれ、日常生活の中でさまざまな不自由が生じること。(知能が低い)

精神障害とは
何らかのの器質的変化、機能的障害により、さまざまな精神症状、身体症状、行動の変化が見られる状態。うつ病。統合失調症。認知症発達障害とは
生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害。先天的な脳機能障害。発達障害には、自閉スペクトラム症コミュ障・こだわり)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれる。(コミュニケーション能力が低い)(知能は高い)

高次脳機能障害とは
脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部を損傷したために、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいいます。

知的障害と発達障害の違い
知的障害は、知的機能の発達水準が全体的に低いために社会性に困難が生じるケース。 
発達障害は、コミュニケーション能力や行動面、学習能力などある特定に分野に関して困難が生じるケース。(知能は高い)

認知症とは?

認知症(精神障害)(精神疾患)
・病気や障害などの様々な原因によって、記憶や判断などを行う脳の機能(認知機能)が低下し、日常生活や仕事に支障をきたすようになった状態。認知症とは病名ではない。脳のシナプスの結合が阻害されるから起こる。認知症は介護認定を受ける理由第一位。

・四大認知症とは、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症のこと。アルツハイマー型認知症が全体の全体の67.6%を占める。アルツハイマー型認知症は、アミロイドβたんぱくなどにより脳に老人斑(まだら模様)がみられる、海馬が早い段階で萎縮する、緩やかに進行する、女性に多いという特徴あり。症状は記憶障害迷子の原因になる見当識障害料理の手順がわからなくなる実行障害になる。血管性認知症は、感情失禁、うつ状態、パーキンソン症状、嚥下(えんげ)障害、症状に波がある(まだら認知症)、階段を下るようにガックンガックン進行する、男性に多い、予防ができるので現象しているという特徴あり。レビー小体型認知症は、初期に認知機能低下は目立たずうつ病と間違われるおそれ、手足が勝手にふるえるパーキンソン症状により転倒の危険、便秘失神などの自立神経症状、他人に見ないものが見える幻視という特徴あり。前頭側頭型認知症は、唯一指定難病に指定されている。他人に配慮することができない、性格変化、異常行動あり、ピック病とも呼ばれるという特徴あり。

・認知症の中核症状とは、記憶障害・注意障害、見当識障害の総称。認知症のBPSD(周辺症状)とは、徘徊、うつ、暴力、拒否などの総称。中核症状により二次的におこる症状。認知症の行動心理症状のこと。

・認知症の評価方法には、長谷川式認知症スケール(HDS-R)、MMSE、CDR(臨床的認知症尺度)がある。

ノーマライゼイションとは?

ノーマライゼーション(normalization)は、1950年代、デンマーク人のバンク・ミケルセンらが関わっていた知的障害者の家族会の施設改善運動から生まれた理念であり、1981年の国連の国際障害者年を契機に認知度を高め、現代の社会福祉の基本理念となった。意味は「標準化」「正常化」であり、それまで特別に行われていたものを一般化していくことだ。

すなわち、旧来の大規模入所型施設中心の福祉サービスが、人間性の阻害や一般社会からの隔絶を招き、障害者の差別・排除の構造を再生産し続けていた点を反省し、障害者や高齢者といった社会的弱者を特別視せず、みんなが同じように生活できる社会を目指し、社会基盤や福祉の充実などを整備していく理念である。

具体的には、福祉施設で入所生活している人が、障害がない人と同じように地域生活が行なえるように脱施設化することである。
よって、障害者施設への入所はノーマライゼーションの考え方には含まれず、本人が希望すれば地域で共に生活できるよう支援するのがノーマライゼーションの考え方である。

また、ノーマライゼーションは、社会的弱者に変化を求めるのではなく社会のあり方そのものを変えるという「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」の根底にある発想である。

バリアフリーとは、障害者や高齢者といった社会的弱者が日常生活を送るうえで障害となるものを取り除いていく取り組みである。駅などの公共施設で車椅子が走行しやすいように障害物を撤去または移動させたり、傾斜のある場所に階段だけでなく専用のエレベーターを設置したり、足の不自由な人のために建物の段差を無くしてスロープを設置したり、目が不自由な人のために音声案内を導入したりといった取り組みである。

ユニバーサルデザインというのは、障害の有無やその度合いにかかわらず、できるだけ多くの人が使えるデザインのことで、最初から障壁がなく、使いやすいモノづくりを意識することに重点がおかれている。

さらに、自立生活運動、QOLの概念、当事者主体の理念、在宅サービスなども、ノーマライゼーションの思想が根底にある。

ノーマライゼーション社会を実現するための3要素は、
1.障害者が力をつけ、力を発揮する支援(エンパワメント・セルフヘルプ)
2.社会参加を妨げるさまざまなバリアの除去(バリアフリー)
3.誰もが使える、参加できる形の形成(ユニバーサルデザイン)
である。
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